マットな質感を得られる期待で購入してみました。
販売元の推奨設定
Amazonの商品ページに書かれた推奨印刷設定は以下の通りであった。
ベッド温度:50~60℃
ノズル温度:180~200℃
ベッド定着性について
Snapmaker2のベッドの従来温度(65℃)では定着が不安定で第一層がノズルに引きずられて剝がれやすい傾向があったため、ベッドの設定温度を75℃に、ノズルの温度を230℃に上げたところ落ち着いた。
代わりに多少糸引きが増加したが、気にはならないレベル。
印刷終了直後は造形物底部の温度が高く、ベッドから剝がす際にヘラ先で傷をつけたり、変形させやすい。風をあてるなどして十分に冷ましてから剥がす。
アイロン処理について
アイロン処理を入れると表面に不規則なふくらみが発生し、かえって見た目が悪くなる。アイロン処理を入れない場合はノズルの移動パターンがそのまま表面に残るが、触った印象としてはアイロン無しの状態の方が水平が出ているような気がしている。
結論としてはアイロン処理は入れない方がよいと思った。
側面の仕上がりについて
マットな質感を売りにしているだけあり、仕上がり光沢は控えめで好感が持てる。側面は積層痕が比較的ハッキリでる傾向がある。
反りについて
ベッドから剥がれて反ることが時折見られる。
このフィラメントに限らないが、広い面積のものを印刷すると中心方向に集まるように収縮し、積層が進むと冷えた上部の収縮が進み、底面の端部が巻き上げられて反っていると考えられる。
以下のような対策が有効かもしれないと思っている。
- 1層に広い面積ができないように中抜きやスリットなどを入れ、収縮が外周部まで積算しないようなデザインを考える
- インフィルの量を少なくする
- 普段は20~25%だけど、これを10%とか、それ以下とか
- 縦方向強度を重視し横方向の接続が疎になるインフィルパターンを選択する
- Curaでいうと「クロス」とか「同心円」とか
- 壁厚を薄くする
- 現状は穴強度を確保したく5周しているが、3周が標準。もっと減らせるか。
長時間印刷について
10時間を超える印刷では高い確率でノズル詰まりを起こす。ドライブギヤが押し込めなくなったフィラメントを削り、削られて細くなったフィラメントは尚更に送り出せなくなる状況に陥っている。フィラメントを引き抜いて再度差し込むと普通に吐出されることから、この詰まりは不純物や焦げなどの類ではなく、恐らくだが水分が蒸発した気泡によるものと思われる。8時間未満の印刷であれば失敗することはあまりない。